趣味で株式投資をしているtorkeyです。
得意なセクターを見つけようシリーズ!
今回は【化学株】です。
セクターごとの特徴を知ることで、株の取引を有利に行うことができます。
今回は【化学株の特徴】と【化学業界の今後】について解説していきます!
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【日本の化学株の特徴まとめ】
日本の化学株の特徴についてまとめました。
化学業界は日本の中でもトップクラスの規模を誇っています。
世界シェアトップの企業が数多くあるので、日本の化学業は世界と戦えるセクターとなっています。
【化学株の日本株ETFと個別株】NEXT FUNDS素材・化学
日本の化学株ETFならばNEXT FUNDS素材・化学(証券番号:1620)があります。
〈2022年12月30日の上位銘柄〉
信越化学工業・資生堂・花王・富士フイルムホールディングス・ユニ・チャーム・旭化成・日東電工・東レ・三菱ケミカルグループ・日本ペイントホールディングス・積水化学工業・住友化学・コーセー・日産化学・小林製薬・三井化学・JSR・王子ホールディングスなど
化学株に投資をするのであれば、化学株にまとめて分散投資ができるETF(NEXT FUNDS素材・化学)、もしくは化学株の個別株投資になります。
【化学株とセクターローテーション】
化学株は、セクターローテーションだと「景気好況期」に有利なセクターとなります。
景気好況期では、企業成長が促され、景気も活発になることから、経済活動か好調になる局面です。
景気が良くなり商品が売れれば、化学製品の消費も大きくなります。そのため化学企業は景気好況期に活躍が期待できるセクターです。
【セクターローテーション投資の見極め】
セクターローテーション投資とは、景気のトレンドの移り変わりに合わせて、投資戦略を変えていく投資方法です!
セクターローテーションは時計回りに動いています(基本的に逆回転することはありません)。
景気回復期→景気好況期への移行は、景気回復期のセクターが下落トレンドを形成し、景気好況期のセクターが上昇トレンドを形成し始めた時です。見逃さないように要チェックしておきましょう。
日本株のセクターは大きく分けて17種類・小さく分けて33種類に分かれています。
日本株のセクターについてもっと詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ。
【化学株は景気敏感セクター】
化学株は景気敏感セクター※と呼ばれています。
※景気循環株・シクリカル銘柄とも呼ばれています。
景気敏感セクターとは、「景気・金利」の動向によって業績や株価が大きく変動するセクターの総称です。
化学業は原料を加工し、製品として出荷するため、景気・経済の影響を受けます。化学企業は原料コストが下がれば採算がとれるようになり、景気が良くなれば出荷数量は増えて増益になります。
【化学株は円高メリットセクター】
化学株は円高メリットセクターです。
円高メリットセクターは、輸入をメインに行っている企業にとってメリットとなります。
日本の化学企業では、石油を原料とした製品を数多くとり扱っています。
2019年の化学工業の出荷額では石油化学が48.7%※1と半数を占めています。
日本は石油の99.7%を海外から輸入※2しているため、化学工業は石油価格の変動に左右されるセクターといえます。
(※1:石油化学工業協会・※2:経済産業省資源エネルギー庁)
円高メリットセクターについて、もっと詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ。
【日本の化学業界の現状】
2021年度の化学製造の売上高は、44兆円でした。化学業界は日本の中でもトップクラスの規模となっています。
日本の化学業界は、ここ10年横ばいで推移しています。直近では2018年度~2020年度にかけて化学製造の売上高は減少傾向でしたが、2021年度は増加に転じました。特に2021年度の化学業界では、「石油化学基礎製品」が絶好調でした。
【日本・世界の化学業界の今後】
日本では人口減少などにより化学製品の需要が減少しています。そのため近年では海外への進出を目的としたM&A(企業の合併や買収)が積極的に行われています。
海外では、人口増加や経済発展が著しいアジア太平洋地域で化学製品の需要が大きくなっています。
特に中国を中心に化学製品の需要は拡大しているため、日本企業の海外進出は今後も加速していく流れとなっています。
世界で見ると、化学業界はアジア太平洋地域を中心に成長していくことが予測されます。
日本の化学企業の中でも、海外マーケットに積極的に進出している企業ほど、企業成長に期待が持てますね。
【化学業界の種類を解説|参考銘柄を紹介】
化学業界は「総合化学メーカー」「誘導品メーカー」「電子材料メーカー」の3種類に分けられています。各メーカーの解説と参考銘柄を紹介していきます。
【総合化学メーカーを解説|参考銘柄を紹介】
総合化学メーカーとは、原料の調達から製品の企画・開発・製造まで自社で一貫して行うメーカーのことです。
事業規模が大きくなるため大企業が属しています。
【誘導品メーカーを解説|参考銘柄を紹介】
誘導品メーカーとは、原料から製造される中間材料を販売するメーカーのことです。
中間素材とはプラスチック・合成ゴム・合成繊維・塗料などの、製品を作るための素材のことです。化学製品の中でも大きなシェアを占めています。
【電子材料メーカーを解説|参考銘柄を紹介】
電子材料メーカーとは、電子材料の製造・販売を行うメーカーのことです。電子材料とは半導体・ディスプレイなどの、製品を作るための素材のことです。
化学っぽくないですが、電子素材も化学メーカーに属しているため覚えておきましょう。
【化学メーカーの川上・川中・川下産業を解説|参考銘柄を紹介】
化学メーカーは作業工程により「川上産業」「川中産業」「川下産業」に分けることができます。各工程の解説と参考銘柄を紹介していきます。
【化学メーカーの川上産業を解説】
川上産業では、石油・石炭・天然ガス等の原料から基礎化学製品を生産しています。川上産業のほとんどが総合化学メーカーであり、総合化学メーカーは川上から川下までを一貫して担います。
【化学メーカーの川中産業を解説】
川中産業では、基礎化学製品を材料として中間材料(誘導品)を生産しています。川中産業が作る製品は種類が多く、知名度の低い企業でも世界シェアNO.1の製品を有していたりします。
【化学メーカーの川下産業を解説】
川下産業では、中間製品から最終製品を生産しています。川下産業は一般消費者向けに販売されるものを作るメーカーです。生活に身近な洗剤,化粧品,衣類やタイヤ・プラスチック製品などを取り扱っています。
【川上産業は資金力勝負!川中産業は技術力勝負!】
川上産業は、総合化学メーカーがその役割を担っています。川上産業では原料を大量に仕入れて原価を抑えるため、大きな資金が必要になります。原価は他の企業との差が出しにくく、原産国との価格競争では不利になりやすいです。そのため川上産業は原料を海外からの輸入に依存している日本では、利益を出しにくい工程になります。
川中産業は、誘導品メーカーがその役割を担っています。川中産業では安い原料から付加価値の高い素材を製造しているため、化学産業の中でもっとも利益率が高くなります。そのため川中産業は技術力勝負になるので、日本の化学メーカーの強みを活かせる工程になります。
化学メーカーの川上産業は、大量の資金が必要でかつ利益率が低いため、メリットの少ない産業といえます。そのため近年では、総合化学メーカーは川上産業から撤退する流れとなっています。
【川上産業からの撤退|生き残るための手段】
総合化学メーカーは川上産業から撤退しています。
とはいっても石油化学産業は、現在も必要な産業です。
今後は、沢山の石油化学小企業を2~3社の石油化学大企業に統合・再編していき、資本力を増すことで生き残る方針となっています。
日本の化学業界は川上から川中・川下にシフトしています。
日本の技術力が世界で躍進することを期待しています!
【化学業界の課題|カーボンニュートラルを目指して】
2020年10月、日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」では、2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としています。
2019年の化学業界では、石油化学が全体の半分を占めています。公害や環境汚染に対する規制が今後さらに厳しくなっていく中で、化学産業には環境問題に取り組む姿勢が求められています。
脱炭素社会では石油化学は逆風になります。
どれだけ石油化学への依存度を減らせるかが今後の課題ですね。
【まとめ】
化学株の特徴について解説してきました。
化学株以外にも日本株にはたくさんのセクターがあります。
他のセクターも「セクターローテーション」「景気」「為替」別に分かりやすくジャンル分けしましたので、ぜひ株式投資の参考にしてみて下さい!